緻密な装飾、切ない恋物語 岩佐又兵衛勝以「浄瑠璃物語絵巻」

浄瑠璃物語絵巻

岩佐又兵衛は、戦国時代の武将・荒木村重の子として生まれました。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」に登場したことでご存じの方も多いでしょう。織田信長に反旗を翻した村重の遺児として幼少のころから苦労を重ねましたが、文芸で生計を立て、絵師としての才能を見事に開花させたのです。

明主様は又兵衛の絵を気に入られ、「又兵衛は一名勝以といい大和絵と狩野風で調も高く、上品で好もしい絵である」と評されました。昭和29年12月23日に本図をご覧になり、売買交渉で300万円(当時)の提示を受けたところ、「これは安い、400万円の値打ちはある」と仰って即座にご購入されました。

江戸時代初期に「操り浄瑠璃」という人形劇が流行し、その劇を絵巻物に書き下ろしたのが本図です。後に源義経を名乗る牛若丸と、三河国矢矧の長者の娘である浄瑠璃姫との切ない愛の物語が、叙情豊かに表現されています。

本図は、数ある絵巻物の中で最も華麗な作品と言われ、全12巻・全長約130mの巻物に金箔や金銀泥、緑青、群青などの高価な顔料がふんだんに使われ、紙地が見えなくなるほど緻密に描かれています。登場人物の服装や、部屋の柱や壁のデザイン、おどろおどろしい描写の烏天狗や雷神、龍神の登場にも目を見張ります。

現在MOA美術館では、本図とともに、又兵衛筆と推定される豊国祭礼図屏風(徳川美術館所蔵)が公開中です。明主様から高い評価を受けた又兵衛の豪華絢爛な作品を、この機会にぜひお楽しみください。(※公開は終了しました)

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