苦手な農作業が楽しくなる 亡き父に支えられて

中井さん

愛媛 中井くに江(58歳)

私の実家では、自然農法で柑橘系の果物(みかんや甘夏など)を栽培しています。

昨年の夏は、猛暑が連日続き、春からの雨の影響もあって畑の草が勢いよく伸びていました。夫と私は、毎朝5時前から日があたるまでの時間に、畑で草刈りをすることにしました。

ところが、私は草刈りの最中に一度ケガをしてから苦手になっていて、夫の半分も草を刈ることができませんでした。

命のつながり

それでも少しは役に立っていると思い手伝っていると、ある時ふと、楽しそうに草を刈っていた父の姿を思い出したのです。

父は13年前に大腸ガンで亡くなりましたが、その3か月前まで元気に作業をし、最後まで現役を続けていました。

私は前々から、父母や祖父母をはじめ、ご先祖様の命のつながりによって今の自分が存在していることを聞いていました。

父の命を受け継いでいることに改めて気づいた私は、〝父と一緒に〟という思いで草刈りをするようになりました。

すると、そのころから自分でも驚くほど草を刈るのが楽しくなり、草刈り機を使う腕が上がってきたのです。1か月も経たないうちに夫と同じ作業量をこなせるようになりました。

私は、父がそばで助けてくれているような気がして、とてもうれしい気持になりました。

勇気と力を

滅多に夫から褒めてもらえなかった私ですが、みるみるきれいになる畑に、「仕事がはかどる! 1人なら3日はかかるのに1日ですんだよ」と言って喜んでもらえるようになりました。それでも父のようにはできませんが、父にも、〝少しはうまくなったなぁ〟と褒めてもらえそうです。

草刈りの作業は体力的にとてもきつく、この年齢で楽しくできていることが不思議でなりません。父や母、ご先祖様と一緒にいると思うことで、勇気と力をもらっているように感じます。

多くの方々の命を受け継ぎ、今こうして生かされていることに感謝し、1日を大切に過ごしていきたいと思います。

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