半円形の白い建物。
視界を遮る柱はなく、
パノラマが広がる。
まさに大自然の芸術作品。
水晶殿について
岡田茂吉師は、熱海・瑞雲郷の中でも、代表的な眺望の良い所を、景観台と名づけ、ここに、水晶殿を昭和29年(1954年)に建てました。「水晶」という名は、曇りのない理想世界を象徴して付けられたものです。
岡田茂吉師の言葉
この地があらゆる条件を具備していることは、まず何よりもすばらしい眺望である。恐らく日本中どこを探しても、これほどの所はあるまいとは、観る人の一致する言である。(中略)
周囲の山並みを包んでいる緑の色、鏡のごとき相模湾の海原、右手遥かに五つの岬が描いている曲線美、左手真鶴の突端にある二、三の小島も面白く、晴れたるときは地平線上夢のごとく浮かんでいる三浦半島の一線、霞の奥長々と寝ているような一条は房総半島で、有名な鋸山のギザギザな不思議な曲線が目を惹いている。まなかいには盆石の佇まうごとき初島あり、その右手には有名な噴火に似合わしからぬ柔かい線の大島も見える。
右のごとき絶景を一望に収むるこの地点が、瑞雲郷中央の景観台(※水晶殿の建つ場所)であって、ここは位置といい山の高さといい、全景観の眺めには最も好適で、ここに身を置くときさながらこの世の天国にある思いがするのは、誰もが絶賛するところである。
まったく天地創造のとき神が準備された聖地であり、神の大芸術品でなくて何であろう。
私の仕事を邪魔しないでくれ(上) 昭和26年11月21日
独創的な形。心ゆくまで眺めを満喫
この建物は、岡田茂吉師のアイディアをもとに設計されたもので、直径22mの半円形という独創的な形をしています。訪れた人々がここからの眺めを心ゆくまで楽しめるようにと、景観を望む前面に柱を用いず、180度の視界に透明なアクリルガラスが施されました。
見晴らしは格別で、幾重にも重なり合う伊豆の山々と海に伸びる岬、相模湾に浮かぶ初島や伊豆大島、三浦半島から房総半島まで一望できます。
“多くの人々に楽しんでもらいたい”
岡田茂吉師は、水晶殿が完成した時、関係者へ「水晶殿は決して独占することなく、一人でも多くの人々に楽しんでもらいたい」との意思を伝えました。
水晶殿は、その思いを受け、多くの人に楽しんでもらえるように、定期的に公開しています。
岡田茂吉師の言葉
結構な美術品や絶佳な風景を見ると、自分一人楽しむのは張り合いもないし、気も咎めるので、一人でも多くの人に見せ、楽しませたいと思う心が湧いて来る。
という具合で、私は自分だけでなく、人に楽しませ喜ぶのを、自分も楽しみ喜ぶということが一番満足なのである。
感じの良い人 昭和29年4月21日
水晶殿 一般公開
開館日:毎週土曜、日曜
開館時間:10時 ~ 15時
入館無料
MOA美術館エスカレーター入口より徒歩3分
館内では係員の指示に従ってください
動画で水晶殿の様子をご覧ください
瑞雲郷管理課
静岡県熱海市桃山町26-1救世会館内
TEL 0557-84-2300